基本施術

ケガは一過性のものだと捉えられることが多いですが、ケガをしやすい・回復に時間がかかる患者さんには1つの共通点があることが、臨床経験をもとにわかってきました。

それは、身体にゆがみがみられるということです。
そのため、ケガの予防・早期回復には整骨医学に基づいた施術を行うことが重要です。

 

【整骨医学とは】

整骨医学とは、骨格や筋肉・皮膚温のバランスを整え、体内の循環を活発にするための基本原理です。

整骨医学は、大きく分けて接骨学と整骨学の2つに分類されます。

 

◆接骨学

接骨学とはいわゆるケガ（骨折や打撲、脱臼、捻挫、挫傷）に係わる施術を意味します。
手術などを行わず、整復・固定などを行い人間が本来持っている自然治癒力の向上を図り、回復を促します。

 

◆整骨学

ケガは一過性のものですが、ケガの原因をよくみていると、身体のゆがみに至ります。
整骨学は、ケガの予防・早期回復に対して身体のゆがみを整えるという点からアプローチしていきます。

ゆがみを整えることで、骨格・筋肉・皮膚温のバランスを整え、身体に強さを作っていきます。
また、体内循環を良好にし回復を促していきます。

接骨院というと、健康保険を使ってケガへの施術を行う場所と考える方が多くいらっしゃいますが、整骨医学をベースに、ケガを起こしにくい身体づくりができる場所でもあるのです。

不調を根本から改善するためには、接骨学に基づいた患部の施術（保険施術）と整骨学に基づいた「全身のバランス調整」を行う必要があると考えます。

基本施術とは、整骨学として行う「全身の調整」になります。

基本施術では、お身体に現れている症状を「結果」と捉え、その原因から改善することを目指しています。

では、具体的にどのように身体にアプローチしていくのでしょうか。

 

◆骨格矯正

全身のバランスを調整することで、身体の局所にかかる負荷の軽減を図る施術になります。

背骨のズレや背骨のゆがみを本来あるべき姿に戻すことで、血液やリンパの流れを改善し、神経の働きを整える効果が期待できます。

 

◆筋膜ストレッチ

筋膜と呼ばれる「第2の骨格」を緩める施術になります。
特殊な精密機器を使い筋膜の緊張を緩めることで、全身の筋肉（骨格筋）のバランスを整え組織の回復能力を高める効果が期待できます。

 

 ◆自律神経調整

東洋医学の考え方に基づき、自律神経のバランスを整えることで、人間が本来持っている自然治癒力を高めていく施術です。

 

【基本施術が効果的な症状】

●肩こり

「国民病」とも言われている肩こり症状ですが、その多くが不良姿勢が原因となり発生していると言われています。

そのため肩こりを根本的に改善するためには、肩だけへのアプローチだけではなく、全身のバランスを整え、生活習慣の改善を図ることが重要です。

 

●腰痛

慢性的な腰痛のうち85％は原因が明確になっていないと言われています。
しかし、多くの腰痛患者さんに骨盤周りや太もも、首回りに筋肉の緊張がみられます。

そのため、筋膜ストレッチや矯正などで筋膜や筋肉を緩めることで腰痛の改善を図ります。

 

●膝痛

軟骨や骨には痛覚がないため、基本的には痛みや違和感はその周辺の筋肉などの損傷から生じていると言われています。

膝関節の変形による症状の場合、その変形自体を正すことは手術以外難しいため、骨格矯正や可動域の訓練などを行い痛みの軽減や予防を目指していきます。